「ああ・・・・・・そうだろうな」
「たしかに、蔚海の執政に不満を抱く豪族は多くいます。我が火向からも、多くの豪族が火前へ旅立ちました。これからも、まだ増えることでしょう」
すでに、火向から三つの豪族が反乱加担に名乗りを上げて、火向を出発している。名乗りを上げて、というが、実際はこっそりと火前へ向かった連中が多い。
それらのように、水面下で準備を進めている豪族は数多だ。個人単位では、玉が坂を転がるように次々といなくなっている。
「ですが、彼らは現段階でこそ賊軍でしかありません。もしも宰相の蘇羽哉から命令が下れば――私は、官軍として兵を動員しなければなりません。そうなれば」
「――あたしらが敵対するって言いたいんだな」
「AGAのそれを覚悟で、出奔するんですね」
息を呑んだ。改めていわれると、なかなか重い言葉である。